逃避行

逃げる先は天国か地獄か

背負うには重すぎて、明かしてしまうには軽すぎる

そんな、喜怒哀楽の怒と哀だけの、いくつもが重なっていく。

逃げたくなる、隠れてしまいたくなる

いっそ、全部消えたらいいのに、見えなくなればいいのに。

そんな、出来もしないこと、ありもしないことを思いながら、現実から目を逸らす。

「悩んでいる自分」「苦しんでいる自分」を盾にして、逃げ出そうとする弱い自分を正当化する。

頭の中は、なるべく今、楽になりたい、それだけで、どこに逃げるかなんて二の次三の次だ。

「大丈夫?病んでる?」なんて聞かれた。ひょっとして心配してほしいだけ?と、そんなことを疑ってもみるものの

きっと心配されたところで「いや、俺は別に、ふつうに生きてるだけのつもりなんすけどね」と突き放すだけだろうと思い、疑いはすぐに晴れる。

過去に思い描いた強い自分、なんでも背負える自分、弱さを隠し通せるという強さをもった自分、そんな設計図

あの日の空想上の存在は、過去のあの日から、一歩も動かず、だんだん遠ざかっていく僕をただ、呆れた顔をして見つめているような気がした

設計ミスだった?いや、手順を間違えた? 物は考えよう捉えようだ、責任の所在だっていくらでもごまかせる それでも、今、弱い自分が、ここに立っているというその事実だけは、どうしようもない事実だ

偉そうに他人同様呼吸をして、それでもなるべく他人に迷惑をかけないように、マナーモードで満員電車に揺られている

そんな自分なのに、結局自分は自分がいちばん可愛くて、なにより自分を守るために、どうせまた懲りもせず、逃げる方法を考える

向き合うべき今に今向き合うこと、誰かのせいにしないこと

そんな簡単なことを忘れて、また逃げる

逃げた先は、天国か、地獄か

コルクボードに貼った目標を、達成できずにまた今日が終わる

他人への失望や絶望の感情は、案外自分の未熟さを隠すための言い訳にしか過ぎないのかもしれない